September 6, 2009
PB vs. NB
9月4日(金)号の日経MJの一面に「NBの逆襲」と題した記事が。確かにここのところ、特にスーパーなどでPBが非常に目立つようになってきました。豆腐、納豆、缶詰、ミネラルウォーター、カップラーメンなどを中心として、取扱品目を増やしたことに加え、それらのディスプレイの仕方にも工夫を凝らしているからでしょう。
PB(プライベートブランド)って、簡単に行ってしまえばOEMと仕組みはほぼ同じですよね。。特に食品の場合は、NB(ナショナルブランド)各社が、PB向けに商品を提供します。提供を受けたスーパーは、それを自社ブランドにパッケージして販売する。一般的にいえば、NBよりもPBの方が安い。そのため、PBが行きすぎている分野では、市場規模の縮退が起きるとよく言われています。では何故NB各社はPBにも商品を提供してしまうのでしょうか?
ここでいったん整理してみましょう。まずPBの提供を受ける側、つまりスーパーのメリットとしては、
・自社ブランドを構築できるため販売商品による差別化が可能
・自前向上等の固定費目を持たないで、変動費で自社ブランド商材が持てる
(けど、同時に自社ブランドのため、サポートセンターが必要になるはず)
・(大量購入のため)仕入れコストが安くなるケースが多い上に、プライシングを自由にコントロールできる。
短期的にみると、格安のPBの展開により売上が落ちそう。しかし長期的に見れば、消費者をリピーター化できるとするならば、ブランド力による囲い込みが可能です。
では提供者のメリットは何なのでしょうか?一見すれば、価格は下がるは・・・別に売上数が大幅に伸びなければ・・メリットは無いように見えます。(実際に、いくつかの市場では既に市場規模が縮退し始めているとのことも、MJの別の記事に書かれています。) それだけではなく、NBとしての自社ブランド製品のシェアが低下する可能性があるので、ここにもメリットが見えてきません。
多分、実際のところは、PBに提供する事により、さらなる大量生産が可能になります。それによって、一つあたりの固定費が小さくすることができます。この大量生産のメリットにより、同じ製品としてもNBよりもPBの方が安く設定できるのでしょうけど、実際のところはPBの取り扱い分が増えるだけですので、結局はNBを含めて全ての同じ製品の製造コストの圧縮につながっているはずです。なので、実際に市場を縮退させ始めてしまったとしても、そのコスト構造が改善されれば、PB商品を展開する事のメリットは十分にあると言えるでしょう。
ただこのPBモデルを中心として戦略をシフトする場合、広告宣伝の在り方は少なくともこれまでと変わってきます。PBにしてしまえば、NBとしてのPR/宣伝の効果が薄くなります。逆にいえば、PBを中核とした戦略を実行するスーパーは自社ブランドのプロモーションを効果的に行っていく必要があります。
こうして考えてみると、PBに適しているモノ、NBに適しているものが結構見えてきますね。新しい市場の立ち上がるモノに関してはPBは適さないでしょう。いや、適さないという表現は正しくなくて、十分に市場が成熟した、ともすればコモディティ化してしまうような商材がPBには向いていると言った方が正しいでしょうか?
これまでは消費者の立場としては、試しとしてPBブランドを購入してきましたが、この「試し」としての時期はもうそろそろすぎるでしょう。そうしてくると、スーパー各社がPBのプロモーションをどのように行ってくるかが個人的には面白いところです。それに対して、PBの提供も行っているNBの戦略は?
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From: 現代大戦略 一触即発
Date: 2009.09.07