August 17, 2009

不況に対する高級ブランドの苦悩




 昨年からの長引く不況は、景気全般を苦しめているほか、以外にもその余波は高級ブランドにも及んでいるようです。

 高級ブランドは特にハイエンドになればなるほど、不況の影響をあまり受けないと言われています。つまり、本当に金持ちの人は金持ちなんですね。その購買者の構成は、トップの10%が90%の売上げをあげると聞いたことがあります。この数字が正しければ、仮に超トップの金持ちが不況の影響を受けないとなると、高級ブランドの不況による影響は、わずか10%程度になることになります。

 この不況になってから、多くの企業が「値下げ」を行い、より多くの顧客を引き付け売上を保とうと必死です。しかし、高級ブランドの場合、そう簡単にこの値引き戦略を用いるわけにはいきません。つまりブランドが「高級」だからです。値引きを行ってしまえば、売上を確保できる代わりに、そのブランドのステータスを多少なりとも放棄することになってしまいます。

 そうは言っても、この不況。高級ブランドの中には、こっそり値下げに踏み切っている企業もあるようです。

安売りによるブランドリスク

コンサルティング会社の米ベイン・アンド・カンパニーの予測では、今年の高級品売上高は10%減だ。もっと悲観的な予測もある。専門家は、そのために「シャネル」から「クロエ」まで様々なブランドが、客を呼び込むために値下げしていると言う(シャネル広報は値下げはドル高のために過ぎないと述べている。クロエは価格戦略についてノーコメントだった)。

 値引きしながら、その宣伝の仕方には十分な注意を払っているようです。例えば、本当に一部の顧客にひっそりメールで通知するなど。控え目な宣伝がブランドを失うことから回避する方法でしょう。

 ティファニーに関しては、品目を「婚約指輪」だけに絞っているようです。とは言っても、この部門だけで20%の売上を占めるようで。

 ティファニーのうまいのは、婚約指輪の場合、ある顧客が複数回購入する可能性が十分に低いのです。また、婚約指輪の対象は十分に限られますね。少なくとも既婚の顧客には、たいていの場合は必要ありません。こうした理由から、一人の顧客が複数回の値引きの「経験」を受ける必要がなくなります。まさに控え目!?

 値引き合戦を繰り広げる業界とはまさに対照的な戦略ですが、高級ブランドという聖域にも不況の波が押し寄せて、生き残りをかけたブランド力争いがひそかに展開されています。

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