August 16, 2009
楽天市場、「タイムセール」作戦は吉か凶
インターネットショッピングサイトの大手、楽天が「楽天市場」でタイムセールを実施するとの事。
楽天は仮想商店街「楽天市場」で、時間限定の割引サービス「タイムセール」を拡充する。パソコン向けのサイトでは17日、午後8時から4時間限定で加工食品や日用雑貨を格安販売するサービスを開始。携帯電話向けサイトでも、ポイントが3倍になるサービスを毎日実施する。「お得感」を打ち出して、値段に敏感な消費者の取り込みを狙う。 パソコンサイトに専用コーナーを設け、日替わりの4商品をサイト内の最安値水準で販売する。
簡単に言えば、利用者の多い時間帯である8pm-12pmまで、日替わり商品をサイト内の最安値水準で販売するという、まさにタイムセール。17日の月曜日からスタート。
楽天市場は、国内でもTOPに位置するネット販売サイト。楽天のEC事業は910億円も稼ぎだすって言うんだから・・・その規模だけでも、ディスカウントスーパーのMr.Max(996億円@09年3月)くらいあるわけです。
一般的にタイムセールといえば、その狙いは、顧客数が少ない時間帯に、特別なアクションをとることによって、顧客数と売上高を伸ばすのが狙い。楽天市場も、これまであまり定常的に利用していなかった顧客を楽天市場に引き寄せるのが狙いでしょう。そして、口コミなどにより、このタイムセールが広まっていくと。心理的にも、タイムセールはお得感もありますし、また口コミで知り合いからベネフィットを聞くことによって、情報の信頼度もあがります。(携帯)メールなどのプッシュメディアをうまく活用して、サイトへの顧客数を高めるマーケティング戦略としては有効でしょう。
しかしその一方で、コスト面でみると、タイムセールは、使ってないけど商売上必要なアセット(固定費)を有効に使うのが狙いですね。これを楽天のタイムセールに当てはめてみると、最も顧客がいる時間帯にタイムセールをしてしまうわけです。なんだかちょっともったいないですね。一番顧客数(訪問数)が多い時間帯に合わせて、システム全体の許容量を拡張しなくてはならないわけですし。ちょっと固定費的にみると、あまり特には感じません。
変動費でみれば、大量に同一製品が売れるのであれば、仕入れコストやオペレーションコストを下げる方向になるので、まずまずの効果があるでしょう。しかし、それは商材によって異なる可能性が強いので、なんとも言えないです。(もちろん、価格付けと損益分解点は綿密に考慮されていると思いますが。)
全体的にみれば、ちょっと時間帯をズラして、利用頻度の高くない時間帯に行うのが最も賢いのではないかなぁ...と考えてしまいます。もちろん、このタイムセールを行う事だけがすべてではなく、タイムセールにどのように消費者を引き付けるのか?に最も成功の要因が隠れているような気がします。いずれにしても、固定費の大きさとその利用者あたりの単価、本キャンペーンが与える変動費への影響、キャンペーンの威力。の3つから少なくとも考えないといけないのですが・・・・。思ったよりもピーク時の固定費増大は楽天市場として自信があるのでしょうね。きっと。
■参考書籍
図解 業界地図が一目でわかる本
文庫本ですが、業界横断的に業界構造、売上高などがわかるので、いろいろ調べ物には役立ちます。四季報や日経からも同等のものが出ていますが、本書は小さくて形態に大変便利です。
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