March 31, 2009

クラウドコンピューティング ― Open Cloud Manifesto




 クラウドコンピューティングのオープン性を宣言するマニフェストが公開されています。内容を読んでみたのですが、割と現状のクラウドコンピューティングが整理されていて、面白いと思います。

 参加企業は・・・・。

IBM、Sun、Ciscoなど38団体が「Open Cloud Manifesto」公開

Open Cloud Manifestoを支持する企業および組織としては、IBM、Sun、Cisco、SAP、OMGなどを含む38団体が名を連ねているが、クラウドサービスを提供する大手のAmazonとMicrosoftの名前はない。

 うーん、マイクロソフトとアマゾンの名がありませんね。

 さて、繰り返しになりますが、このクラウドコンピューティングに関するマニフェストの文章が意外に良いのです。誰か日本語化してくれないのかな?とも思うのですが、ここではエッセンスだけ紹介しましょう。

 
■イントロダクション

 まずは、クラウドコンピューティングはバズワード(流行り言葉)かもしれない。。なんて導入が正直です。しかし、その議論に関しては、既に過熱気味となりつつある。というのも事実ですね。実際には、やれWeb2.0だのSoAだの様々な要素が入っていますが、「ひとつだけ明確なのは、業界がこれを欲している」点ですね。このクラウドコンピューティングというパラダイムがどういう影響を与えるのか?そして既存の技術をどのように利用していくのか?などなど、議論の要素はたくさんあります。しかし、クラウドコンピューティングに重要なのは、そのオープン性ではないだろうか?と主張されています。

 もちろん、ある競争市場において、発展過程にある技術やビジネスはできるだけオープンスタンダードを採用した方が、そのスケールの速度があがります。もちろん、プラットフォームとしてのクラウドコンピューティングのオープン性が必要であるというのは、現時点では疑いを持つべきではないでしょう。


■クラウドコンピューティングのバリュープロポジション(提供価値)

 アーキテクチャは「クラウド」とされているのは結構そのとおり(?)だと思うのですが。。以下で、うまくクラウドコンピューティングの特徴をハイライトしていると思います。

■オンデマンドの拡張性
 確かにこれはありますね。たとえば、キャンペーンやイベントなどで一時的にコンピュータリソースが欲しくなった場合に便利です。また、ビジネスだったら、月末の売り上げ処理など。様々なシーンで利用できると思います。

■データセンタの合理化・簡素化
 データセンター内のサーバを共有して利用できるのだとしたら、用途に応じて別々のネットワークやセキュリティ機能を持たなくても良いので、それなりにデータセンタは簡素化が可能のはずです。もちろん運用面での人件費も抑えられますね。

■ビジネスプロセスの改善
 クラウドを利用しているのなら、データの共有が簡単になります。従来の方法でネットワークを個別に持っている場合、物理的にネットワーク上のサーバのファイルを共有する事は難しいです。

■初期コストの軽減
 特にスタートアップ時のITコストは抑えられますね。いずれにしてもデータセンタでデータを取り扱う業務をする場合、いちからデータセンタを借りて、ネットワークを接続してサーバ・・・・・などやるよりもよっぽどクラウドコンピューティングを利用した場合の方が、お金の面でも時間の面でもセーブできます。


■クラウドコンピューティングにおける課題
 さて、そうはいっても新しいものにはやはりチャレンジ(挑戦)が付きまとうものです。

・セキュリティ
・データやアプリケーションのインター・オペーラビリティ
・データやアプリのポータビリティ  
 データやアプリを他の事業者にも持っていける事も重要ですね。
・ガバナンスと管理
・メータリングとモニタリング
→やはり共同利用ですから、メータリング(どれだけ使ったか?)というのは測定が必要でしょうね。トラフィックやディスクだけでは無く、CPUやメモリ等のリソースも。どのようにしてはかるかは課題でしょうね。


■オープンクラウドのゴール

■選択可能である
 利用者が事業者に縛られないという点が挙げられています。もちろん、ビジネス環境が変わったり、M&Aやパートナーシップなど。こういうビジネスの変化にも容易に追従できる仕組みであるべきだと主張しています。今のサーバやインフラを個別に持つデータセンタではこれらの問題は避けられませんね。

■柔軟性
 別のクラウドともインターオペーラビリティがある。。。あると便利ですね。確かに・・。

■スピード感
 ビジネスのスピード感をクラウドコンピューティングによって加速できることと、ビジネスの変化がクラウドコンピューティングが足を引っ張らないということですね。つまり、システムが変更できないから、ビジネスに追従できない、という事が無いようにすると。企業の生産性を向上するという本来のITからすれば、あるべききなのですが、実際にはそうでない事が多々存在している事実がありますね。

■スキル
 オープンな仕様であれば、独自仕様に比べて利用者は利用スキルをたくさん身につける必要が無くなります。


■オープンクラウドの信条(原則)

1. クラウドコンピューティングの事業者は、セキュリティ、インテグレーション、ポータビリティ等に関して、適切な標準仕様を尊重し、お互いに協調していかなくてはならない。

2. 顧客の自由を阻害するようなマーケットポジショニングをすべきでは無い

3. クラウドの事業者は、既存の標準を尊重し、それらを最大限に利用すべし。

4. 新しい標準が必要な場合には、思慮深く実用面を十分に考慮して選択しべし。標準化はイノベーションを助長し、これを妨げるような行為はすべきではない。

5. いずれのオープンクラウドのコミュニティも、顧客のニーズを中心に活動すべし。技術のニーズのみを追求してはならない。そして、顧客の要求は十分にテストし、実証せよ。

6. あらゆるクラウドコンピューティングに関連する団体は、ともに協調し、それぞれの活動が対立したり、重複するようなことは避けるべし。


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